茨大工学部がJST「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」に採択
茨城県北部で、技術者として働く誇りと喜びを―工学を自身?他者?地域のために活用する女性の育成―
茨城大学工学部は、科学技術振興機構(JST)が募集した令和5年度「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」に採択されました。「茨城県北部で、技術者として働く誇りと喜びを―工学を自身?他者?地域のために活用する女性の育成―」と題した企画で、日立市?水戸市の女子中高生を対象に、ものづくり体験教室や研究室インターンシップ、地元企業の女性技術者との交流などの取り組みを実施する予定です。
理工系を専攻する女性の増加については、昨年5月に政府が発表した「我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)」などでも喫緊の課題として挙げられており、このプログラムを含むさまざまな支援策が講じられています。
工学部ではこれまで、近隣の高等学校に通う生徒に向けた「一日体験化学教室」や「サイエンス?ツアー」、女子学生が交流の場として使用できる部屋の設置などを行ってきましたが、現在、女子学生が占める割合は10~15%を推移しているため、増加のための早急な対応が必要となっています。
そこで、女子生徒への継続的?系統的な働きかけの対象を中学生にまで広げることなどを企図しました。また、茨城県北部に住む女子中高生及び保護者は地元志向が強いため、中高生が地元企業を見学したり、女性技術者と交流したりする機会を設けることとしました。今回のプログラム採択を受けて、日本機械学会や日立市、水戸市の教育委員会などの協力を得ながら、順次取り組みを実施していく予定です。
理系分野を学んだ後の未来像を思い描いたり、技術者として地元で働くことに誇りや喜びを感じたりできるようにしたい
工学部の乾正知学部長は、「高校進学を控えた中学生や文理選択に迷っている高校1年生が理系分野を学んだ後の未来像を思い描いたり、技術者として地元で働くことに誇りや喜びを感じたりできるようにしたい。加えて、茨城県北部に焦点をあて、女性が活躍できる地域の創生をも意図した本企画は地方都市共通の課題でもある少子化問題や進学者の流出に伴う産業の担い手不足の解決にも寄与できるのではないか」と話します。
今回のプログラム採択を受け、先日、理工学研究科博士前期課程で現在学んでいる女性の学生を交えた座談会を行いました。その模様も後日本ホームページでご紹介する予定です。